日本で空港がない10県はどこ?作られない理由と最新アクセス事情

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日本で空港がない10県はどこ?作られない理由と最新アクセス事情
日本で空港がない10県はどこ?作られない理由と最新アクセス事情
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日本全国の空の玄関口として各地に広がる空港網。旅行や出張で当たり前のように利用する飛行機ですが、実は47都道府県のうち10の府県には定期旅客便が発着する空港が存在しません。人口が900万人を超える神奈川県や、世界的な観光都市を抱える京都府にも民間空港がない事実は、意外と知られていないポイントです。

広大な国土を持つ諸外国と異なり、日本の交通インフラは独自の進化を遂げてきました。なぜこれらの自治体には空港が建設されなかったのか、そして過去に浮上した建設計画はなぜ頓挫したのか。2026年現在の最新交通事情と全国空港マップの実情を踏まえ、空港を持たない地域に隠された歴史的・地理的背景を深掘りします。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
  • 要点1:日本国内で定期便が就航する民間空港がない地域は神奈川・埼玉・栃木・群馬・山梨・長野を除く中部2県(岐阜・三重)・近畿3府県(滋賀・京都・奈良)の計10府県。
  • 要点2:空港がない最大の理由は「近隣メガハブ空港の存在」「網の目のような新幹線・高速鉄道網の整備」「山がちな地形や空域制限」にある。
  • 要点3:地方空港の赤字経営問題やリニア中央新幹線構想の進展により、今後これらの10府県に新たな空港が新設される可能性は極めて低い。

【一覧】空港がない10都府県はどこ?全国空港マップの現在地

空港 が ない 都 道府県の関連写真・ビジュアル
【画像】空港 が ない 都 道府県 関連ショット

現在、日本国内で民間航空会社による定期便が就航する空港を持たない自治体は以下の10府県です。

【東日本エリア】
・栃木県
・群馬県
・埼玉県
・神奈川県
・山梨県

【中日本・西日本エリア】
・岐阜県
・三重県
・滋賀県
・京都府
・奈良県

全国の空港分布を見ると、北海道や沖縄、九州などには多数の拠点空港や離島空港が整備されている一方で、首都圏を取り囲む内陸県や関西圏の内陸部に「空白地帯」が集中している構造が浮かび上がります。

なお、自衛隊や米軍の飛行場(神奈川県の厚木海軍飛行場、岐阜県の岐阜基地など)や、ヘリポート等の非公共用飛行場が存在する自治体はあるものの、一般の旅行者がチケットを買って搭乗できる商業空港はありません。

なぜ空港がないのか?新幹線網の競合と地形がもたらした決定打

空港 が ない 都 道府県の様子・注目ショット
【写真】空港 が ない 都 道府県 近影・注目カット

これらの自治体に空港が存在しない根本的な要因は、主に3つの力学が働いた結果です。

第1の要因は、新幹線をはじめとする高速鉄道網の発達です。日本の国内移動においては「4時間の壁」という指標が存在し、鉄道の所要時間が4時間を切ると航空便のシェアが急激に低下します。東海道・山陽新幹線や東北・上越・北陸新幹線が早期に整備された太平洋ベルト地帯や首都圏近郊では、わざわざ滑走路を建設して飛行機を飛ばす採算性が成り立ちませんでした。

第2の要因は、隣接する巨大ハブ空港への圧倒的な近さです。羽田空港(東京国際空港)、成田国際空港、関西国際空港、大阪国際空港(伊丹空港)、中部国際空港(セントレア)といった24時間対応や多滑走路を備えるメガ空港が近隣にあるため、独自の空港を持つ必要性が薄かった点も見逃せません。

第3の要因は、急峻な山岳地形と広大な用地の不足です。内陸県の多くは平野部が市街化されているか、周囲を山に囲まれており、2,000m〜3,000m級の滑走路と安全な進入表面(空域)を確保するための用地買収・造成コストが莫大な規模に膨らむ構造を抱えていました。

神奈川・埼玉・京都になぜ空港がない?大都市圏特有の構造的背景

空港 が ない 都 道府県の報道・詳細資料
【資料】空港 が ない 都 道府県 報道・メディア記録

大都市でありながら空港を持たない代表格が、神奈川県、埼玉県、京都府の3自治体です。それぞれに固有の事情が存在します。

【神奈川県:羽田空港との距離と超過密な米軍空域】
神奈川県は川崎市や横浜市から羽田空港まで鉄道やリムジンバスで20〜30分程度という至近距離に位置します。県内に空港を造る必然性がないばかりか、県土上空には米軍が管制権を握る「横田空域」が広がっており、民間機が自由に離着陸できる空域を確保すること自体が物理的に極めて困難な環境にあります。

【埼玉県:羽田・成田へのアクセスと自衛隊基地の存在】
埼玉県も東京都心を挟んで羽田・成田の両空港へ直通する鉄道網が充実しています。県内には入間基地などの航空自衛隊施設がありますが、滑走路長や周辺の過密住宅地による騒音問題から、民間共用化へのハードルは極めて高い状態が続いています。

【京都府:伊丹・関空至近と歴史的景観の保全】
世界的観光地である京都ですが、JR京都駅から特急はるかで関西空港へ直通できるほか、大阪空港へもリムジンバスで50分圏内です。さらに京都市街地は厳しい景観規制と高度制限が敷かれており、騒音問題や上空規制の観点からも空港新設は現実的な選択肢になり得ませんでした。

幻に消えた空港建設構想|計画断念の経緯と地方空港の赤字問題

空港がない10府県のなかには、過去に大規模な空港誘致や新設計画が真剣に議論された地域もあります。

象徴的な事例が滋賀県の「びわこ空港構想」です。1980年代から1990年代にかけて内陸の八日市市(現・東近江市)周辺に2,000m滑走路の建設が計画され、地域活性化の起死回生策として推進されました。しかし、バブル崩壊後の財政悪化に加え、琵琶湖の水環境への影響を懸念する住民反対運動が激化。採算性の見通しが立たないことから、2000年代初頭に計画は完全に凍結・断念されました。

全国に97か所ある空港のうち、多くの地方空港が構造的な赤字経営に喘いでいる現実も、新設計画にストップをかけました。巨額の建設費と毎年の維持管理費を投じても、搭乗率が低迷すれば自治体の財政を圧迫する重荷になります。高度経済成長期の「一県一空港構想」は完全に終焉を迎え、既存インフラの活用へと政策の舵が切られました。

空港ゼロ県民はどう移動している?最寄り空港への快適アクセス方法

空港を持たない地域に住む住民や訪れる旅行者は、どのようなルートで空の便を利用しているのでしょうか。現代の交通網は、空港がない不便さを感じさせないシームレスな接続を実現しています。

【北関東・山梨エリアからのアクセス】
栃木県・群馬県からは、新幹線やJR在来線特急に加えて主要駅から羽田・成田直行の高速リムジンバスが多数運行されています。山梨県からはJR中央線特急「あずさ・かいじ」を利用した新宿経由ルートや、中央道経由の直行バスが主要な足となっています。

【東海・近畿内陸エリアからのアクセス】
岐阜県南部や三重県北部からは名鉄特急や近鉄特急、津なぎさまちからの高速船(津エアポートライン)を利用することで、中部国際空港へダイレクトにアクセス可能です。滋賀県や奈良県からはJR特急「はるか」や空港連絡バス網が伊丹・関空と直結しており、乗り換えなしでチェックインカウンターへ到達できる利便性が確保されています。

【空港がない都道府県】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:人口が極めて多い神奈川県に空港を造る計画は過去になかったのですか?
A1:神奈川県内では過去に相模原や厚木周辺の活用論が一部で出たことはありますが、羽田空港が多摩川を挟んだ対岸に位置していること、さらに米軍横田基地の空域制限(横田空域)が上空に広がっていることから、本格的な建設計画として具体化することはありませんでした。

Q2:リニア中央新幹線が開通すると空港の必要性はさらに薄れますか?
A2:その通りです。リニア中央新幹線が品川〜名古屋〜新大阪間で開通すれば、山梨県や長野県、岐阜県、三重県、奈良県に中間駅が設置され、三大都市圏への所要時間が劇的に短縮されます。これにより、メガハブ空港へのアクセスがさらに向上するため、内陸県での空港新設の議論は完全に過去のものとなります。

Q3:10府県の中で、もっとも最寄り空港まで時間がかかる地域はどこですか?
A3:紀伊半島の山間部に位置する奈良県南部(十津川村など)や三重県南部(熊野市・尾鷲市など)、および群馬県北部・栃木県北部の奥地です。これらの地域は最寄りの空港(南紀白浜空港、関西国際空港、中部国際空港、羽田空港など)まで陸路で3時間以上を要するケースがあり、地域格差が残るエリアといえます。

まとめ:移動インフラの適材適所と「空港レス」地域の強み

日本全国で空港を持たない10府県は、一見すると交通面でハンデを背負っているように思えるかもしれません。しかし実態は、「空港を造る必要がないほど鉄道・道路網が発達し、近隣の巨大空港をシェアできる恵まれた立地」にある地域が大半です。

維持費のかかる滑走路を持たず、近隣ハブ空港や新幹線ネットワークと効率的に接続するスタイルは、人口減少が進むこれからの日本において極めて合理的かつ持続可能なインフラモデルと言えます。全国空港マップの「空白」には、日本の地理的特徴と交通網の洗練された進化の歴史が凝縮されています。 (出典: 空港 が ない 都 道府県(Yahoo!ニュース))